20世紀初期〜中期頃に作られたと推定される木製のカモデコイ(Duck Decoy)です。古い塗装が自然に剥がれ、木地の質感が美しく現れた味わい深い一点もの。特徴的なのは、くちばし部分が抜ける構造。これは、当時のデコイに見られるメンテナンス性を重視した設計で、破損や交換、内部の清掃を容易にするための実用的な仕組みと考えられます。ボディ下部には鉛製のおもりが装着されており、水上での安定性を確保。前方のロープと金具は、実際に水面へ浮かべる際の係留用として機能していました。現存するアンティークデコイの中でも、このようにオリジナルの構造を保った個体は非常に希少です。自然な経年変化とともに、古き良きアメリカのアウトドアカルチャーを感じられる逸品です。
・素材:木製(ハンドカービング)
・サイズ:約 長さ40cm × 高さ20cm × 幅15cm
・重量:約1.2kg(鉛おもり含む)
・状態:アンティーク品(塗装剝がれ・ひび・経年による摩耗あり)
・構造:くちばし取り外し可能、首固定式
・おもり:鉛製(底部に取り付け)
当時のデコイ(Duck Decoy) は、主に「狩猟(特に鴨猟)で生きた鴨をおびき寄せるための道具」として使われていました。この文化の背景には、カモが重要な食材だったという歴史があります。中世〜近世(およそ15〜19世紀)ヨーロッパでは、鴨(ダック)やガチョウ(グース)は高級な食材として広く食卓に上っていました。貴族や領主の狩猟料理(Game meat)の一つとして重宝され、特にイギリス、フランス、ドイツ、オランダなどでは、冬季のご馳走でした。鴨肉は脂肪が豊かで風味が強く、ローストや煮込み、コンフィ(油煮)などにされていました。そのため、デコイ(おとりの鴨)を使った狩猟は、「生計のため」「食用の確保」「娯楽や競技的狩猟」として盛んに行われました。デコイの起源は、17世紀ごろのオランダや英国とされます。実際の鴨を模した木製の浮き彫り(デコイ)を池や湿地に浮かべ、本物の鴨を仲間と思わせて誘い込み、銃で狩るという方法が確立しました。その後、アメリカに渡り、19〜20世紀にハンティングカルチャーの象徴となりました。特にアメリカでは、デコイ職人(Decoy Maker)が多数存在し、「民芸」としての芸術的価値も認められるようになります。※AIによる調査を参考にしています。
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来月に引っ越しをするので、新居にて使いたいと思います。今回は、素敵な作品をありがとうございました!