アンティークミシン・ミシンテーブル

そして、アンティークミシンは、職人によって手作りされたものが多く、その手作りの温かみが感じられます。機械の部品や動き、音なども独特で、使い心地が良いと評価されています。また、アンティークミシンの中には、現代のミシンでは縫えないような厚手の布や革なども縫えるものがあり、その使い勝手の良さも魅力の一つです。

さらに、アンティークミシンは、修理が比較的容易で、長く使えることが特徴です。古いミシンでも、パーツを交換することで再び動くようになることがあります。そのため、手入れをしっかりとすれば、何世代にも渡って使い続けることができます。

以上のように、アンティークミシンには、そのデザイン性や手作りの温かみ、使い心地の良さ、修理のしやすさや長期間にわたる使い続けることができる耐久性など、多くの魅力があります。

さらに美的な魅力として、アンティークミシンテーブルは木材や鉄などの素材を使用し、細部に至るまで美しくデザインされています。古い時代の建築物や家具などと同じように、アンティークミシンテーブルは手作業による精巧な彫刻や装飾が施されており、単なる家具としてだけでなく、美術品としても楽しむことができます。

また、アンティークミシンテーブルは、現代の家具にはない味わいや温かみがあります。一つ一つのアンティークミシンテーブルには、歴史やストーリーがあり、その存在感が部屋に個性的な雰囲気を与えてくれます。

これらの魅力によって、アンティークミシンテーブルは、趣味やコレクションとして楽しむ人だけでなく、実用的な家具としても人気があります。

1851年にアイザック・メリット・シンガーが第1号実用ミシンの特許を取得し、法律家エドワード・C・クラークと共にI.M.シンガー社を設立しました。当時はマサチューセッツ州の小さな工房からのスタートでした。

1853年には1号機を100ドルで販売を開始し、1号機型ミシンの重量は30Kgもあり、梱包箱にそのまま組み立てが出来る様になっていました。翌年には、1号機に改良を加えた工業用ミシンNo.1standardが発売され、1880年まで何十万台も売れたそうです。1854年には押さえを交換する事ができるNo.2standard、1856年には足踏みミシンの原型となるような形状のNo.3standardが発売されました。

1855年には海外進出も開始し、シンガーミシンはパリ万国博覧会で最優秀賞を受賞しました。1856年には、今現在では当たり前になっている、月賦購入制度、分割払い販売等を考案し、同年に初めて家庭用に設計された小型ミシン、タートルバックを発売しました。このミシンは張り出したシャフトによりカマと針を動かす仕様になっていました。同年には、レターA型ファミリーミシンが発売され、年間売り上げが3000台に達しました。

1863年には、シンガー裁縫機械会社として法人会社となり、1865年に誕生したニューファミリー型ミシンは、この頃には年間2万台、1890年頃までデザインを変えながら世界中で400万台以上も販売されたそうです。

1870年にはシンガーミシンの代表的なトレードマークである「Red“S”Girl」が使用されるようになり、女性がミシンを踏んでいるこのマークは、国や時代によって女性の服装やミシンも変化していきました。

1880年には世界での年間売り上げが500,000台を超え、1889年には初の電動式ミシンが発売されました。

1900年には、日本国内でミシンの販売を開始し、当時のミシンの販売価格が高価だったことから、シンガー社は日本初の月賦販売や分割払い、ローン販売などの画期的な販売方法を導入し、家庭用ミシンの普及に貢献しました。

また、シンガーミシン社は日本でのミシン販売を進めるにあたって、洋服を普及させ、まずはミシン裁縫を人々に教える教育機関が必要だと考え、1906年に裁縫女学院を設立しました。裁縫女学院は、シンガーミシン社によるミシンの販売と連動した裁縫教育を展開し、明治末期から大正期のミシンの普及と洋裁教育に大きな影響を与えました。

現在もシンガーミシンは、ミシンの分野で高い技術力と製品力を持ち、世界中で愛されています。

1928年、ブラザーミシンは、麦わら帽子製造用の環縫いミシンの第1号機である「昭三式ミシン」を完成させました。このミシンは、商標を「BROTHER」と定め、兄弟達全員の協力によって完成しました。商標には、兄弟愛と協力の精神が込められています。

その後、ブラザーミシンは家庭用本縫いミシンの開発を進めましたが、最大の難関はシャトルフックという部品の製造でした。この部品は、上糸と下糸を交差させることで、本縫いミシンで最も重要な役割を果たします。1930年代当時の国内技術では困難とされていたため、ブラザーミシンは苦心の末、この部品の製造に成功しました。

1934年には「日本ミシン製造株式会社」を創立し、戦時中は軍事縫製用の工業用ミシンの需要が増えたため、工業用ミシンの量産化に取り組みました。戦後、1946年にミシンの生産を再開し、1947年には家庭用直線ミシンHA1を上海向けに200台輸出しました。

1950年には、安井正義社長が50日間のアメリカ市場視察を行い、家庭用編機を皮切りに、モーター技術を活用した洗濯機、掃除機、扇風機などの製品の製造を開始しました。また、この時期にはポータブルタイプライターの開発にも着手しました。

1954年、ブラザーインターナショナルコーポレーションは設立され、海外市場に本格的に進出しました。同社は1956年に80ccオートバイ「ダーリン号」を開発し、57年には試験販売を開始するなど、常に新しい製品を生み出すことで知られていました。

1970年代に入ると、工業製品全般の技術革新が進み、ミシンやタイプライターなどの電子化が進んでいきました。ブラザーも例外ではなく、1976年に初めての電子ミシン「コンパルDX」を販売しました。そして、1979年には業界初のコンピューターミシンである家庭用ジグザグミシンZZ3-B820「オーパス8」を製造しました。

1991年、ブラザーはコンピューター刺しゅう機付きミシン「サマンサ/ミモレ」を発売しました。このミシンには、自動糸切り機能や自動糸調子機能などの新機能が搭載され、メモリーカードを使用することで、さまざまな種類の刺しゅうや模様縫いが簡単にできるようになりました。

現在、ブラザーは刺しゅうなどを得意とするメーカーとして知られています。しかしその歴史を振り返ると、ブラザーはミシンをはじめとする様々な製品で、戦後の日本で開発・販売を進めていくうちに培った技術を生かし、常に新しいものを生み出し続けてきたことがわかります。

その歴史は、1938年に太平洋戦争中に機関銃や小銃などを生産する東京重機製造工業組合として設立されたことに始まります。しかし、戦後になると武器製造を中止し、それまでの工作機械をベースに家庭用ミシンの製造を始めました。

その後、JUKIは世界に向けて工業用ミシンを輸出し、アメリカ・ヨーロッパ・アジア・中国など世界各国に販売会社を設立し、販路を広げました。1969年には、自動糸切り機構を開発し、生産性が向上し、現在のファストファッションにつながる安価なアパレル品が誕生するきっかけとなりました。

また、JUKIは家庭用ミシンにも積極的に取り組んでおり、1978年には自動糸通し、自動糸切り装置を搭載するなど、家庭用ミシンの性能向上にも力を入れました。そして、1985年には世界初の完全自動糸調子機構を製品化し、人気シリーズのミシン「ザ・ミシン」の初代を発売しました。

さらに、2009年には「HZL-F600JP エクシード キルトスペシャル」を発売し、工業用ミシンの技術を家庭用ミシンに搭載することで、ワンランク上の「ぬい品質」「ぬい性能」を実現しました。2015年には「HZL-EX7」を販売し、より使いやすく進化した機能を多数搭載し、より高品質な仕上がりを実現しました。

このように、JUKIミシンは、武器製造や工作機械の技術を活かして、工業用ミシンの技術を家庭用ミシンに応用し、ハイレベルなモノづくりを意識したミシンの機能や性能を進化させてきました。

その後、1929年には国産初の家庭用標準型ミシン（パイン100種30型）が発売され、下糸機構に垂直半回転式が採用され、作業効率が飛躍的に向上しました。

そして、1935年には社名が「帝国ミシン株式会社」に変更され、「蛇の目ミシン」が商標として登録されました。この「蛇の目」はジャノメミシンの名前の由来ともなっています。なぜなら、「パイン100種30型」に採用されたボビンの形が、蛇の目紋に似た丸い形をしていたからです。そのため、「蛇の目式」ミシンと呼ばれ、ミシンのボディにも蛇の目模様が施されました。これが日本のミシン産業の発展にとって、大きな一歩となったのです。

1934年、日本洋裁学校を含む新工場が中野に完成しました。この工場は、ミシンと洋裁の普及を目的として建設されました。2年後、小金井工場が国産初のミシン量産工場として竣工しました。しかし、戦後の混乱の中で、ミシン業界は規格寸法の統一に苦しんでいました。この問題を解決するために、1948年には「ミシン製造会」が発足し、家庭用HA-1 102型と呼ばれる国産ミシンが製造されるようになりました。

そして、1954年には、高速度運転に耐え、摩擦音や振動も少ない320型が発売されました。このミシンは、工業デザイナーの小杉二郎氏が手がけた近代的なデザインが施され、第2回毎日工業デザインコンクールで特選第一席に選ばれるなど、大ヒット商品となりました。このミシンの成功により、ミシン業界でもデザイン性が重視されるようになりました。

さらに、1956年には、蛇の目製品が業界初の「JIS規格合格品」に指定され、JISマークの表示が許可されました。そして、1961年には、カムという部品を利用して模様縫いが可能になった560型フルオートジグザグミシンが登場し、「ジグザグブーム」が到来しました。そして、1964年には、東京オリンピック開催を記念して発売された業界初の自社生産による軽合金ダイカスト製の670型ハイドリームが登場し、従来のミシンと比べて2分の1の軽さを実現しました。

1968年には、ヨーロッパにジャノメミシン株式会社を設立し、その後も台湾、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなど海外にも進出していきました。1971年には、創業50周年記念モデルとして、最高級ジグザグミシンである801型ジャノメトピアを発売しました。このミシンには、全回転式カマが使用され、当時の最先端技術が詰め込まれており、まさに理想（トピア）のミシンと称えられました。

1976年には、813型エクセルを発売し、国内主力機種として内蔵カム式、フリーアームを採用した最初の機種となりました。実用性に優れ、機械式ミシンの最高機種として高い評価を受けました。

1979年には、日本初のコンピューターミシンである5001型メモリアを発売しました。ダイヤルやレバーで調節してきた針と送り歯の動きを、コンピュータで制御することで、針の動きが自由自在になり、模様縫いが一気に広がりました。1983年には、コンピュータ機能を充実させ、当時世界一のステッチ数を内蔵した6000型メモリークラフトを発売し、国内外で大好評を博しました。このミシンは、洗練されたデザインが評判で、英国でブルーリボン賞、日本ではグッドデザイン賞を受賞しました。

1986年には、ミシン1台で直線・ジグザグミシンとオーバーロックミシンの2つの機能を持ったコンビDX2000を発売。1991年には、創業70周年記念モデルとして、本格的な刺しゅう機能付きミシン8100型セシオをリリースしました。

そして、2001年には、世界初の自動糸通し機能付きミシン、9500型スーパーセシオを発表。このミシンは、大型フルカラー画面搭載、刺しゅう機能付きの最高級コンピューターミシンとして、ミシン業界に革新をもたらしました。

さらに、2021年には創業100周年を迎え、社名を「株式会社ジャノメ」と改めました。ジャノメミシンは、ジグザグミシンやコンピュータミシン、家庭用刺しゅうミシン、スマホによる刺しゅう機など、革新的な製品を数多く生み出し、常に信頼性の高いブランドとして愛され続けています。