ドイツ、ハーナウ(Hanau)の薔薇の聖母の聖水盤(銀800)のご紹介です。
可憐な薔薇に囲まれた聖母の聖水盤、手のひらに入ってしまう程の小さな銀器です。一番上には可愛らしいリボンが薔薇を束ねるように結ばれています。
聖水盤の中も綺麗な状態で水漏れもしません。職人さんが心を込めて磨いて下さったので美しく輝きます。
ドイツ・ハーナウ(Hanau)で19世紀に製作され、フランスへ輸入された銀器です。フランスの輸入の刻印であるcharançon(ゾウムシ)の刻印が左側の聖水盤とマリア像の境目に確認されます。品物の裏側に工房の刻印が確認できます。
Hanauは有名なグリム兄弟の出身地です。この街の最も大きな発展の契機はフィリップ・ルートヴィヒ2世伯が16世紀にカルヴァン派の難民(ユグノー)と契約を結び、多くの資本や手工業の専門知識がこの街に流入したことにあります。ユグノーの子孫はHanauにおいて質の高い銀器を多く製作しました。
聖夜に相応しい美しく厳かな銀器です。
時代: 19世紀末
刻印: フランス輸入の刻印 純度800/1000「charançon(ゾウムシ)」
工房: Johann Sigmund Kurz (Hanau) の刻印
サイズ: 縦:9.2cm 横(最大値):5.0cm 重さ:26g